韓国の高校事情!在住者に聞く7つの特徴!

韓国留学・移住
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教育熱心なお国柄として知られる韓国。少し前に「SKYキャッスル」というドラマが韓国国内で流行しましたが、高校での勉強に学生本人はもちろん親も想像を遥かに超える熱量をかけます。

というのも高校まで一般の公立校に通った場合、大学受験まで受験がないので教育への熱が大学受験に一極集中してしまい、日本以上に学歴社会の韓国の受験戦争は凄まじさを極めているんです。また最近では日本の中高生の間で韓国が流行しているからか、高校から韓国留学する話も時々耳にするようになりました。

そこで今回は現地在住の筆者が、韓国の高校事情について詳しくご紹介します。

 

韓国の高校事情!在住者に聞く7つの特徴!

 

1. 韓国の高校にも公立と私立がある

一般的に大学受験まで受験がない韓国ですが、受験や中学校の成績を通して入学することができる私立高校ももちろんあります。자사고(ジャサコ、韓国語での「自律型私立高校」の略)と呼ばれる私立高校は現在全国に24校あります。

この자사고は教育課程や学事運営などを自律的に行なうことを認められている高校のことで、李明博大統領時代の高校多様化プロジェクトにより作られました。

しかし、今年の評価で자사고の指定を受けられなかった高校が約半分あったため、来年度は全国12校に減るようです。

 

2. 私立高校の他にも「特殊目的高校」がある!

上記で紹介した自律型私立高校の他に韓国ならではなのが「特殊目的高校」の存在です。科学高校や国際高校、外国語高校、体育高校、芸術高校などがあり各特定の分野におけるエリートを育てる目的で設立された高校です。

こちらの高校に入学できればトップレベルの大学に進学できる可能性が高いということで、毎年志願者が殺到しますが受験をしなくてはいけません。

この他にもロボット、自動車、ソフトウエア、半導体などの分野の技術を習得するための学校、マイスター高校や商業高校や工業高校を統合化した特性化高校も存在します。日本以上に高校の種類が多様に渡っているのがわかります。

 

3. 一般の公立以外は受験制度あり!

以前は高校受験があった韓国ですが、受験戦争を緩和する目的で現行のように高校受験制度は廃止されました。故に一般の公立に行く場合は受験はなく、中学の内申書に基づいて地域の高校に抽選で振り分けられるシステムとなっています。

しかし上記で紹介した自律型私立高校や特殊目的高校に進学する場合は受験をしなくてはいけません。日本のような受験制度ではありませんが、中学校の間に中学生対象の科学・数学コンテスト、人文社会論述大会、英語ディベート大会などに参加して優秀な成績を収めておく必要があったり、中学の成績が全校上位2パーセント以内でないといけなかったりと、中学に入った時点から高校入試に向けて様々な準備が必要です。受験の何ヶ月か前から勉強を開始するという方法は全く通用しないのです。

結果として、この準備過程で結構な数の学生が脱落していくので、最終的にこれらの高校の志願倍率自体は3倍前後だったりと高くはありません。

なお、大学後の現地の就職活動については以下に詳しくまとめていますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

韓国で就職活動!日本と違う7つの就活ルール!
韓国語学習者が増加傾向にある昨今、韓国での就職を希望している方も沢山いることでしょう。そこで今回は、韓国で就職活動する前にぜひ読んでもらいたい、韓国の就活事情について現地在住の筆者が詳しくご紹介します。日本と何が違い、何を準備しなくてはいけないのかなど、事前にしっかり理解しておきましょう!

 

4. 公立でも男子校と女子校に分かれている!

以前韓国では中高は公立でも男子校と女子校に分かれているのが一般的でした。現在でも分かれている学校が結構あります。最近は共学のところが増えてきましたが、それでもクラスは男女別であることが多いようです。しかし中学に比べて高校はまだ男女分かれているところが多い印象です。

 

5. 夜間自律学習「야자(ヤジャ)」


韓国の高校の大きな特徴と言えば夜に行われる自習ではないでしょうか。夜間自律学習の韓国語を略して「야자 / ヤジャ」と呼ばれています。8限目まで授業をこなしたあと、なんと夜10時まで学校で自習をしなくてはいけません。

自習なんだしサボってもいいのでは…と一見思いますが見回り当番の先生がいるので見つかっては大変。もちろん親にも通達されるので家でも怒られてしまいます。

しかもこの後さらに塾や家、読書室で夜中まで勉強するのが一般的。さらに驚くことに朝7時からも自律学習の時間が高校では設けられています。もはや健康が心配ですよね…。朝の自律学習では寝ている子も多いんだとか。無理もありません。

 

6. 校則は意外に厳しめ!?男女交際はもっての他!

小学校は髪を染めていたりピアスを空けている子が多かったりするので、そのまま高校も自由な校風なのかと思いきや、意外や意外、校則の厳しい学校が多いです。女子の場合、化粧やコテは禁止だったり、靴下の丈が決められていたり…。

また、携帯に関しても始業~終業までは使用禁止の高校が多いです。そして男女交際禁止の校則は全体の81%の学校であるんだとか。男子校女子校に分かれている由縁がわかる気がします。ただし、芸能人が通うような芸術高校に至っては髪を染めるなどの身だしなみに関しては自由なところが多いようです。

韓国の小学校については以下の記事でまとめていますので一読してみてください。

韓国の小学校事情!在住者に聞く7つの特徴!
教育熱心な国として有名な韓国。でも実際にどのような教育が行われているか知らない方がほとんどではないでしょうか。そこで今回は、現地在住の筆者が韓国の小学校に焦点を当てて韓国の学校・教育事情についてご紹介します。

 

7. 女子も制服にズボンがある!?


高校と言えば制服も気になりますよね。韓国語で制服は교복(キョボク / 校服)と言いますが、日本の制服より全般的にタイトな作りです。体のラインがはっきり見えてるような制服もたまに見かけます。スカートの丈は短めで、膝より上がメジャーです。足を綺麗に見せるためにベージュのストッキングを履いている女子高生がほとんどです。韓国ならではなのが学校によって女子でもズボンがOKなこと。

真冬になると氷点下まで気温が下がることがほとんどである韓国で、冬に短いスカートは寒い、不便だ、という理由からなんだそうです。またジャージで下校している学生もよく見かけます。そしてリュックにスニーカーが一般的な身なりですが、上靴として使っているスリッパをそのまま履いて帰ることもあるようです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?
一般的な高校に入るのであれば大学受験まで受験がないのはなんとなく嬉しいですが、しかし名門大を目指す場合は特殊目的高校や自律私立型高校を自然と目指さなければならず、その受験戦争は中学に入ってからすでに始まっています。やはり韓国の受験戦争は想像以上に厳しいものなんですね…。

ちなみに高校での給食ですが、韓国には弁当文化はあまりないため高校でも給食です。学食で食べるのですが学食は全校生徒全員分の席がないため、授業後すぐさまご飯を食べたい学生たちが毎日駆け込んでくるそうです。

勉強漬けの毎日を送っている韓国の高校生ですが自律学習がない日もあるので、そんな日は友達たちと屋台に寄って間食を食べたり、カラオケに行ったり、女子ならばコスメショップに行って化粧品のチェックをしたりして過ごしているようです。

日本のように部活もないので高校3年間は大学受験に向けてみっちり勉強する時間…と言っても過言ではない韓国の高校事情でした。

 

韓国の高校事情!在住者に聞く7つの特徴!

1. 韓国の高校にも公立と私立がある

2. 私立高校の他にも「特殊目的高校」がある!

3. 一般の公立以外は受験制度あり!

4. 公立でも男子校と女子校に分かれている!

5. 夜間自律学習「야자(ヤジャ)」

6. 校則は意外に厳しめ!?男女交際はもっての他!

7. 女子も制服にズボンがある!?

 

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