韓国語学習者が増加傾向にある昨今、韓国での就職を希望している方も沢山いることでしょう。最近でしたら漠然とメディアを通して韓国が就職難と聞いたことがある、ドラマで就活の場面を見たことがある、なんて人が多いかもしれませんね。
しかし、実際に韓国で就職活動を始めようと思っても日本と何が違うのか、何を準備しなくてはいけないのかなど、わからないことがほとんどだと思います。
そこで今回は韓国で就職活動にする前にぜひ知っておきたい韓国の就職活動についてご紹します。
韓国で就職活動!日本と違う7つの就活ルール!
1. 就活の時期は大学卒業間際
まずは韓国の就活の時期についてです。日本でしたら新卒採用は大学3年生の秋頃~大学4年生の夏休みが一般的だと思います。しかし韓国では大学4年生の秋頃、9月くらいから始まるのが一般的です。というのも学業優先のスタイルを取っているからです。
また、日本のように前もって内定を出して囲い込みをするのは韓国では珍しいと言えるでしょう。韓国は2月が卒業シーズンなので、就活のスケジュールがタイトなのも認識しておいてください。
2. 就活の流れは日本とほぼ同じ
日本も就職活動は企業によって差はありますが、大体が
エントリーシート→SPI→面接
の流れではないでしょうか。これは韓国もほとんど同じです。そしてエントリーシートの内容も日本と大変よく似ており、自己PRや志望動機を書くのが一般的です。
また、日本ではエントリーシートや履歴書を手書きで書く機会が多いと思いますが、韓国は全てオンラインで行われます。これは時間のコストの削減になるので就活生にはありがたいですね。
3. 就活の服装は比較的自由!
韓国の就活の服装はフォーマルな感じであれば比較的自由です。スーツの色は黒でなくても紺やベージュでもOKですし、シャツもフォーマルであればそこまで細かく気にする必要はありません。
また女性の靴に関して言えば、ヒールなしでも大丈夫です。髪型もボサボサでなければ基本的に自由ですが、韓国では女性の場合、前髪もすべてオールバックにしてひとつにまとめると、きちんと感が出ているヘアスタイルと見られることが多いです。
日本のようにリクルートスーツを準備して、上から下まで真っ黒にする必要はありません。
4. やっぱり韓国は学歴社会!資格や学業成績も大事
韓国が日本以上に超学歴社会なのは有名ですよね。実際のところどうなのか気になりますが…やはり本当のようです。
とある大企業では就職希望者が殺到するのもあってか、書類審査の時点でSKY(韓国のTOP3であるソウル大、高麗大、延世大)以外は切り捨てるという話を聞いたことがあります。
また日本と違う点としては学業の成績がかなり重視されるということ。A+は当たり前らしく、もしもBやCを取ってしまった場合は再履修してA+を再び目指すとのこと。GPAも聞かれることがほとんどなんだそう。
また英語の資格であるTOEICやTOEFLは持ってて当たり前で、800点以上でないと使える資格としてみなされないとのことです。日本は人柄やポテンシャルを見る部分が大きいと思いますが、韓国は即戦力を求めているので実力重視です。
5. 韓国の就職氷河期は継続中
日本ではここ数年間は売り手市場が続いていて、新卒の就職率は9割越えと高いですよね。韓国は一時期よりは回復したもの、それでも60%台と就職難は未だ続いています。韓国のトップ、ソウル大学でも大企業に就職できるのは50%程なんだそうです。
就職できなかった人は金銭的に余裕があれば大学院に進学したり、海外に留学したりしますが、そうでない場合は非正規社員として働く人がほとんどです。実際、韓国の若者の4割が非正規雇用者として働いており、月給は150万ウォン(15万円程度)に満たない人が大勢います。
6. 就職難の原因は財閥にアリ!?
韓国がこのような就職難に陥った原因はいくつかありますが、一番大きな原因は韓国ならではの財閥志向と言えるでしょう。
中小企業に就職にしても不安定で収入も低いのが現状。それを知っている親たちは子供を小学生の頃から塾に入れて有名大学に入れるようにサポート、教育費用も惜しみません。韓国の教育熱の熱さは就職難から来ていると言っても過言ではないんです。
結果として、優秀な人材は自然と大企業や財閥に集中してしまうため、ベンチャー企業が中々育ちません。このような悪循環が就職難から抜け出せない原因のひとつなんですね。
ちなみに日本でもおなじみのサムソンや現代等の大企業の倍率は800倍に上ることもあるんだとか。さすがに日本の人気企業でもこんなに倍率はないですよね…。
なお、韓国の財閥については以下の記事で特集していますので、ぜひチェックしてみてください。
7. 日本人が韓国で就職するためには
最後に日本人が韓国で就職するために必要な条件について紹介します。企業側からすれば「外国人」を採るわけですから、一般の韓国人を採るよりメリットがなければ採用してくれません。つまり、日本の就活と同じように考えてはいけないことを念頭に置いておきましょう。
まず、韓国で就職するわけですからもちろん韓国語が必須です。最低でもTOPIK4級は必要ですが、6級まで取得しているのが無難でしょう。また日本人ということで韓国語+日本語で就職に有利になると考えがちですが、韓国には日本語をネイティブ並みに話せる人はたくさんいます。「日本人で日本語を話せる」というだけではあまりポイントを稼げません。
韓国ではとにかくまずは英語を話せることが最重要です。韓国語に加えて日本語+英語となれば就職の選択の幅が大いに広がるでしょう。韓国には日本と取り引きしている会社がたくさんあります。会社の規模を選ばなければ日本関連の会社には就職しやすいでしょう。
また韓国で働くには就労ビザ(E7)が必要になってきます。きちんとビザがおりる会社なのかをチェックするのも重要です。なお、ビザについては以下に詳しくまとめていますので、合わせてチェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
大学卒業間際に就活が始まるのでハードスケジュールではありますが、学業と資格勉強をしっかりして、実力をつける期間が十分にあるとも言えそうです。
また、日本では海外留学等の理由で休学することをよく思われない場合もあるみたいですが、韓国では休学して留学やワーホリに行くことはよくあることです。海外志向の学生には嬉しいですね。
なお、日本では「総合職」「一般職」といったざっくりした枠組みで採用を行う場合が多いですが、韓国では採用の時点で細かくポジションや担当部署が分けられていることが多いのも特徴です。全体的に韓国の就活は欧米のスタイルに近いと言えるかもしれませんね。
また、韓国語で組織名や部署名を何というかを以下にまとめていますので、これを機にご自身のなりたい部門を韓国語で何というかチェックするのも面白いですよ!
韓国で就職活動!日本と違う7つの就活ルール!
1. 就活の時期は大学卒業間際
2. 就活の流れは日本とほぼ同じ
3. 就活の服装は比較的自由!
4. やっぱり韓国は学歴社会!資格や学業成績も大事
5. 韓国の就職氷河期は継続中
6. 就職難の原因は財閥にアリ!?
7. 日本人が韓国で就職するためには