韓国のイースター特集!現地在住者に聞く7つのおもしろ特徴!

韓国文化

あなたはイースターと聞くと何を思い浮かべますか?「キリスト教」や「欧米で行われるイベント」をイメージする人がほとんどではないでしょうか。では日本と同じアジア圏の韓国でも、日本と同様イースターはあまり馴染みのないものなのでしょうか。

そこで今回は、現地在住の筆者が韓国のイースター事情についてご紹介します。

 

韓国のイースター特集!現地在住者に聞く7つのおもしろ特徴!

 

1. そもそもイースターって何?

「イースター」なんとなく聞いたことはあるけれどよく知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。イースターは英語名で、日本語では「復活祭」、韓国語では「ブファルチョル/부활절」と言います。

イエス・キリストは十字架にかけられて亡くなりましたが、亡くなって三日目に蘇ったと信じられており、その復活を記念、記憶する祭りのことで、キリスト教の最も重要な祭りのひとつです。

この日は世界中の教会で特別な礼拝が行われるほか、スペインなど国をあげて盛大な祭りを行ってお祝いするキリスト教の国もあります。スペインのイースターについては、以下を是非読んでみてください!

スペインのイースター特集!一度は参加したい7つのおもしろ特徴! | Spin The Earth
スペインでは、イースターといえばクリスマスとならんでキリスト教の大切なイベントの一つです。スペインではセマナサンタ(Semana Santa/聖週間)と言います。イースターというとキリストの復活と春の訪れを祝う明るいイメージがあるかもしれませんが、スペインのセマナサンタは一味違います。詳しく見ていきましょう!

2. アジアの国、韓国でもイースターを祝う!


ではアジア圏の韓国で「イースター」はあまり馴染みのないものなのでしょうか。答えから言うとNOです。韓国ではイースターの日になるとその他の国と同様、国内の教会で特別礼拝や行事が行われるほか、道端で教会関係の方がイスターエッグを配るなど、日本よりかなり浸透している行事なのです。隣の国なのに日本とは全然違いますよね。

3. 韓国の国民の約28%はキリスト教信者


なぜ韓国ではイースターが普及しているのでしょうか。それは韓国の宗教事情と関係しています。2015年の韓国統計庁の調査によると、韓国の全人口の44%、2,155万人が何らかの宗教の信者でそのうちの1,357万人、全人口の約28%がキリスト教信者という結果が出ています(プロテスタント、カトリック合わせて)。

これは東アジア・東南アジアにおいて絶対信者数では第5位、国全体に占める割合においては第3位となっています。実は韓国はアジアにおいて代表的なキリスト教国なのです。2014年にローマ教皇が訪韓した際は韓国国内において大変な盛り上がりを見せ、連日ニュースになっていたのも記憶に新しいです。実際、筆者の周りでも教会に通っている韓国人の方が結構います。

 

 

4. 韓国でキリスト教が広まった理由は朝鮮戦争と経済成長に関係アリ!

それではなぜ、アジア第三のキリスト教国になるほど韓国でキリスト教が広まったのでしょうか。そのキーワードは「朝鮮戦争」と「経済成長」です。

まず一つ目の理由の「朝鮮戦争」。朝鮮半島全土が舞台となった朝鮮戦争。休戦後はほぼ焼け野原で戦後の日本同様、韓国国民は食べ物に困っていました。そこにアメリカ軍の従軍牧師が韓国各地で食料支給を行いながら「皆さんを救ってくれるのはキリストです」と説いて回ったんだそう。当時の韓国国民にとって食料支援を行う駐韓米軍は救世主のような存在だったでしょうから納得のいく理由です。

そして二つ目の理由の「経済成長」。韓国は1970年代「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長期を迎え、農村からソウルなどの都市部に上京する農民がたくさんいました。その地方出身の農民たちの拠り所になったのが「キリスト教信仰」でした。韓国のキリスト教(プロテスタント)はも韓国のシャーマニズムも取り入れた独自のものが多く、庶民の間で広まっていきました。

韓国でキリスト教が普及した理由は様々ですがこの2つが主な理由のようです。

5. イースターの時期

イースターは基本的に春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に祝われます。もともと太陰暦を用いて日付を決めていたため、太陽暦を用いる現代においては年によって祝う日が変わります。これは韓国においても同じです。大体4月の日曜日に祝われることが多いそうです。

6. 韓国ならではのイースターの光景


韓国ではイースター当日になると各地の教会で特別礼拝が行われます。韓国のキリスト教の大多数を占めるプロテスタント
の宗派は韓国の各都市で連合特別礼拝を行うほどで、過去にはソウルの市庁前広場において約2万人が集まって礼拝が行われたこともありました。そんなわけで町内に必ず一つはある教会前はいつも以上に車の渋滞が起きます。

そして信者でない人でも目にする光景が「ゆで卵」です。イースターといえばイースターエッグ。「復活」を祝うことから「誕生」や「生命」をイメージする卵を出すんだそう。当日は道端などで教会関係者や信者が「恵のお裾分け」としてイースターエッグを配る様子をよく見かけます。

そのゆで卵は可愛くペイントしているものもありますが、ほとんどは「復活の喜び」なとど書かれた可愛い紙で包装されたものです。貰ったゆで卵はありがたく頂く方がほとんど。知らない人からもらった食べ物を躊躇することなく食べるのは今の日本では珍しい光景かもしれません。

また、キリスト教系の保育園や幼稚園ではイースターエッグを隠して子供たちが探す催しも行われるようです。

7. 韓国で行われるイースターのイベント


日本と比べてイースターがかなり浸透している韓国ですが、残念ながら欧米諸国のように大々的なイースターのイベントは今のところ開催されていません。アジア有数のキリスト教の国ではありますが、国民の半数以上は「無宗教」ですし、仏教信者もいるので当然かもしれません。

韓国にいながらイースターをきちんと祝いたいという方は、必ず町内に教会があるはずですので足を運んでみてもいいかもしれません。韓国の教会は信者でなくても迎えてくれるところがほとんどのはずです(勧誘は必須ですが…)。プロテスタントとカトリックで礼拝の仕方が違うそうなので、事前に調べていくといいでしょう。

ちなみに「教会(교회)」がプロテスタント、カトリックは教会と言わず「聖堂(성당)」と言います。教会に行かずとも、道端でゆで卵をもらうだけでもイースターの雰囲気を少し味わうことができますし、家でイースターエッグのペイティングをしてみるのも子供と楽しめます。

 

 

まとめ

日本とはだいぶ違う宗教事情を抱える韓国。ゆえにイースターも日本以上に馴染みのあるイベントです。ちなみにキリスト教徒が多いことから12月25日のクリスマスは祝日に定められており、信仰関係なく会社・学校は休みです。

そして韓国のゆで卵は白身の部分が茶色いのはご存知でしょうか。実は燻製した卵なので色が茶色に変化するんだそうです。韓国人にとってゆで卵はおやつの定番なんですよ。イースターに韓国の定番おやつであるゆで卵を貰って食べるのも韓国ならではの楽しみと言えそうです。皆さんも機会があれば韓国のイースターを体験してみてはいかがでしょうか。

 

韓国のイースター特集!現地在住者に聞く7つのおもしろ特徴!

1. そもそもイースターって何?

2. アジアの国、韓国でもイースターを祝う!

3. 韓国の国民の約28%はキリスト教信者

4. 韓国でキリスト教が広まった理由は朝鮮戦争と経済成長に関係アリ!

5. イースターの時期

6. 韓国ならではのイースターの光景

7. 韓国で行われるイースターのイベント

 


あなたにおすすめの記事!

韓国文化
この記事をみんなにシェアしよう!
byeol08をフォローする

韓国に住んで9年。留学、ワーホリ、日韓結婚と様々な経験をしてきました。在韓だからこそわかるリアルな韓国をお届けします。

byeol08をフォローする
Fun!Fun!Korea!