韓国の葬式マナー!参加前に知っておくべき6つの事!

韓国の葬式マナー!参加前に知っておくべき6つの事!韓国文化
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ニュースやドラマで韓国の葬式の場面を見かけたことがある人は多いでしょう。韓国は日本から近いアジア圏の国なので、葬式マナーが日本と似ていると考えている方がほとんどだと思います。

しかし実際は日本とは異なる葬式マナーが多々存在します。特に韓国在住の方や日韓カップル・夫婦の方は韓国の葬式に参列する機会が突然やってくるかもしれません。もしもの時のために韓国の葬式に関する知識やマナーは知ってて損はないでしょう。

そこで今回は韓国の葬式に参列経験のある筆者が、韓国の葬式マナーについてご紹介します。

 

韓国の葬式マナー!参加前に知っておくべき6つの事!

 

1. 韓国の葬式は「三日葬(삼일장)サミルチャン」


韓国の葬式は「サミルチャン」と呼ばれる三日葬の形式で行われます。3日3晩、喪主や遺族が弔問客を葬儀場で迎え、食事を振舞います。この期間は朝・昼・晩・夜中と時間を問わず弔問客を迎えなくてはいけないので遺族は家に帰ることはできず、またシャワーをすることもできません。それでは三日葬の手順を簡単に紹介します。

【1日目】
・臨終となれば故人に新しい服を着せ、白い布団や布を被せる
・遺影の両脇にろうそくを立て、香を焚く
・個人と交友関係があった人たちに連絡する
・連絡、案内、弔問録など、葬儀に関する様々な手続きの担当者を決める

【2日目】
・故人の体を綺麗に洗い、寿衣(スイ)と呼ばれる死装束を着せる
・故人の口に水でふやかしたお米を入れる
・死後24時間経過したら遺体を棺に納める。
この時故人の信仰によっては聖書や数珠なども入れる
・棺の前に屏風を立て、黒いリボンをかけた遺影をその前に置き
両側にろうそくを立てて香を焚く
・遺族は喪服を着用し、弔問客を迎える

【3日目】
・簡単な祭祀(チェサ)と告別式を行い、出棺する
・火葬の場合は火葬場へと向かい火葬後、
遺骨を骨壺に入れて納骨堂や霊園に納める
・故人の骨壺の前で簡単な祭祀(チェサ)を行う

遺族はこの3日間ほぼ寝る時間がありません。喪主の友人や知人が弔問客の相手で忙しいの喪主のヘルプとして駆け、弔問客に振舞う食事のサーブ、準備、そのほかの雑用などを手伝ってくれます。また韓国は元々土葬の文化でしたが、最近は人口増加による土地不足の問題から火葬を行うことがほとんどです。

2. 葬式は「病院の地下」で行われ、「24時間いつでも」弔問できる

葬儀専門の式場はあるものの、最近の韓国の葬式は「病院の地下」で行われることがメジャーになっています。ある程度以上の規模の病院の地下には複数の葬式場が設けられており、同じ期間に複数の葬式が行うことが可能になっています。参列客は葬儀会場に到着したら掲示板で故人、喪主の名前、会場の確認を行います。

また上記でも書いたように葬式は3日3晩夜通しで行われるので、弔問は基本的にいつ行ってもOKです。それが夜中の2時や早朝の4時でもです。3日間と書きましたが基本的に亡くなった時間から日付が変わるまでが1日目です。亡くなった時間で1日目の長さが変わってきます。

3. 韓国の葬式の服装のマナー

弔問客の服装は日本より少しカジュアルで、黒やグレー、ネイビーなど地味目の普段着で構いません。葬式にふさわしくない派手な格好をしていかなければ大丈夫です。男性ならば普通のスーツ、女性ならば黒やネイビーのスーツ、ワンピースを着用すれば良いでしょう。

 

 

4. 韓国にも香典はある


韓国にも日本の香典にあたるものがあり「賭儀金(부의금)ブウィクム」といいます。受付で記帳を済ませたらその場で渡します。コンビニや文具店等で「賭儀金」と書かれた白い封筒が売られているので事前に準備して持参してもいいですし、受付に置かれている封筒を使用しても構いません。

賭儀金の相場は3万ウォン、親しければ5万ウォン~10万ウォンです。またほとんどの葬式場にはATMが設置されているので、現金がない場合は葬式場で現金を下ろすことも可能です。

5. 韓国の葬式の弔問の手順

韓国の葬式に弔問する際の手順は以下の通りです。韓国はお焼香ではなく線香をあげます。

1.受付で記帳をし、香典を渡す
2.線香をあげる
3.遺影に向かってクンジョルを2回、そして立った状態で一礼する
4.遺影の横にいる遺族に向かってクンジョルを1回行い、お悔やみの言葉をかける
5.食事をする場所で料理をいただきながら故人について語り合う

クンジョルとはひざまついてする韓国特有のお辞儀のことです。お悔やみの言葉は「삼가 고인의 명복을 빕니다」(サンガ コイネ ミョンボグル ピムニダ/故人の冥福をお祈り申し上げます)とかけることが多いそうです。

6. 参列をするかしないかの判断

最近の日本では親族葬や密葬など、ごく近しい親戚・知人のみで行うことが増えてきましたが、韓国は故人との繋がりが薄い人も弔問に訪れることがほとんどです。例えば会社の同僚の家族が亡くなった場合は参列することがほとんどです。

これは「辛い時こそ力になってあげよう、側にいてあげよう」という想いが強いからのようです。「最後の時間は家族と過ごす」という考えが一般的な日本とは少し異なっています。故人と何らかの関わりがあった場合は弔問に訪れるのがベターでしょう。

また遠方のために葬式に参列できない場合はSNSで弔意のメッセージを伝え、インターネットバンキングで香典を口座に振り込むという方法が浸透しています。

 

 

まとめ

悲しみに暮れる暇もなく3日3晩寝ずに弔問客の相手をしなくてはならない韓国の葬式。遺族にはかなりの負担と言えるでしょう。友人や知人の手伝いが必要なのも頷けます。

また葬式場ではキムチやナムルのおかずと「ユッケジャン」という牛肉のピリ辛スープが振舞われます。ユッケジャンは大きい鍋で一度に大量に作ることができ、時間が経っても味が変わらないため葬式での定番料理となったそうです。

いつ参列することになるかわからない葬式。たとえ近いと言えども国が違えば葬式の形式やマナーも全然違うものです。故人との最後のお別れだからこそ、その国のマナーに乗っ取ってきちんとした形で送り出してあげたいですよね。

 

韓国の葬式マナー!参加前に知っておくべき6つの事!

1. 韓国の葬式は「三日葬(삼일장)サミルチャン」

2. 葬式は「病院の地下」で行われ、「24時間いつでも」弔問できる

3. 韓国の葬式の服装のマナー

4. 韓国にも香典はある

5. 韓国の葬式の弔問の手順

6. 参列をするかしないかの判断

 


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