韓国に住んでいると芸能人やスポーツ選手でタトゥーをしている人を頻繁に見かけます。お隣の国なので日本と同じくタブーの風潮があるのかと思いきや、ここ数年で韓国ではタトゥーへの意識が大きく変わった印象です。普段街を歩いていると、一般人でもタトゥーがある人をよく見かけます。では欧米の国々と同じなのかと問われるとそうでもありません。
そこで今回は韓国人のタトゥーの意識について、韓国在住歴9年目である筆者がご紹介します。
韓国のタトゥー事情!在住者に聞く韓国人のタトゥーへの意識とは?
1. 韓国では「ヤクザ」「タブー」のものから「ファッション」へと価値観が変化
韓国でも日本と同じく、以前はタトゥーは「ヤクザ」「不良」の人がするもので反社会的なイメージが強かったです。タブーなものであるというのが社会の暗黙的な風潮がありました。
しかし近年韓国のアイドルやスポーツ選手でタトゥーを入れる人が増加し、一般の若者の間でもそれに比例するかのように増加してきました。タトゥーを施している人が口を揃えて言うのが「おしゃれ」「かっこいい」と言う言葉。タトゥーはファッションの一部のものと価値観が変化してきています。
なお、韓国のアイドルについては以下にまとめていますので、ぜひこちらも読んでみてください。
2. 日本より断然「軽いもの」!?日韓のタトゥーへの意識の違い
上記の通り、韓国ではファッション的な要素としてタトゥーを捉える若者が大半なので、日本とタトゥーへの意識にかなりの差があります。
日本だと仮にタトゥーをいれたいと思っても、後のことを考えて結局やめる人も結構いると思います。万が一いれることに決めたとしてもそれは一大決心ではないでしょうか。しかし韓国だと後先をあまり考えないことが多いのもあってか、「おしゃれ」「かっこいい」と思ったら即実行する人が多いです。それぐらい最近では「軽いもの」となっています。
3. 韓国でも中年以上の人たちはまだまだ抵抗感アリ
ファッションとして韓国では受け入れられつつあるタトゥーですが、やはり世代別に見ると意識の違いがまだまだあります。30代後半ぐらいから大きく分かれるのが筆者の印象です。特に60代以降になると「素行が悪そう」「不良っぽそう」というイメージが大半です。
また40・50代でも「自分たちの年齢でタトゥーはおかしい」「若者がするもの」という回答が多いですが、「見えなければいい」という人が多いのも興味深いですね。
4. 就活においては断然影響アリ!タトゥーは見えないように!
韓国で就活を考えている人はタトゥーはしないのが無難です。上記でも見たように30代後半以降の世代の人たちはタトゥーに対してネガティブな認識を持っていることがほとんど。就活のシーンにおいて採用担当の人たちの年齢を考えてみると、30代後半以降であることがほとんどですよね。
もしもタトゥーが入っている場合は必ず隠すのが鉄則です。(見えない位置にいれるのがベストですが)無事採用が決まったとして、その後会社内で半袖を着るシーンが必ずあるでしょう。その時もタトゥーは見えないほうが妥当です。
筆者の夫は30代後半、会社員ですが同僚や取引先の人でタトゥーをしているのをもし見かけたらいい気はしない、ビジネスシーンでは良くないと言っていました。
5. タトゥーをしている人が就ける職業とは…⁉
では韓国でタトゥーをしている人たちが就いている主な職業は何でしょうか。前述通り芸能人やスポーツ選手もそうでしょう。しかし芸能人でも俳優・女優は、タトゥーの位置によってはこなせる役に影響が出てくるのでしない人が多いです。
また、肉体労働や自分で事業を起こしてスモールビジネスを行う、飲食やファッション等のショップ店員もタトゥーを問題視することは少ない印象です。先日キッズカフェ(カフェ兼子供の室内遊び場)に行ったところ、店員が腕に結構大きめのタトゥーをしていました。子供が利用するお店ですが問題ないようです。
なお、韓国の就職事情は以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
6. テレビに映る際はテープで隠すのが一般的
これまでの内容を読むと、韓国ではちょうどタトゥーへの意識の変換期に差し掛かっている印象ですよね。でも「教育上良くないもの」という認識は以前のまま。テレビでタトゥーがあるアイドルなどが出演する際はテープで隠すことがほとんどです。
しかしその隠し方が結構雑なので、意味があるのかないのか微妙なことも。。ワンポイントやチラっと見える程度ならそのままの場合も多いです。
なお、韓国のお笑い芸人やテレビ番組について、以下の記事で特集していますのでぜひチェックしてみてください。
7. プールやサウナでの出入り禁止はあまりない!
プールや温泉等などの施設において、日本では利用できないことがほとんどですよね。韓国では日本ほどこれらの施設の利用禁止を大々的には行っていません。
しかしタトゥーに対する拒否感が残っているのも事実。プールに入る時は長袖やシャツ等を着て見えないようにしたり、サウナや銭湯ではテープ等で隠すことを求められる場合もあります。
8. 兵役逃れのためにタトゥーを利用!?
韓国ならではのエピソードとして、兵役を逃れたいがためにタトゥーをいれる男子もいるんだそうです。というのも徴兵前に行われる身体検査の際、全身に入れ墨が入っている場合は補充役判定となるからなんです。
若者のタトゥーに対する抵抗感がなくなってきているため、兵役逃れのためにタトゥーをいれる男子が増加し、兵役逃れの摘発件数としては「精神疾患の偽装」に次ぐ2位となっています。
しかし実際はタトゥーだけで兵役を免除されることはまずなく、タトゥーをいれている人の生活背景(例えば犯罪者や反社会的勢力である)が問題になるとのことでした。実際タトゥーを体のあちこちに入れている芸能人でも兵役に行ってますよね。
兵役については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひ一読してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
若者にはファッションの一部として受け入れられていますが、年配の世代では日本での認識とあまり差がないのがお分かり頂けたと思います。韓国で就活をすることを考えている場合はタトゥーはしないのが無難ですが、どうしても入れたい場合はどんな服装をしても見えない部分に入れれるか、またはタトゥーシールを利用するといいでしょう。
子供がいる夫婦(20~30代)でパパやママがタトゥーが入っているのをよく見ますし、もしかすると10年後ぐらいにはさらに欧米寄りの考え方に韓国もなるかもしれませんね。
韓国のタトゥー事情!在住者に聞く韓国人のタトゥーへの意識とは?
1. 韓国では「ヤクザ」「タブー」のものから「ファッション」へと価値観が変化
2. 日本より断然「軽いもの」!?日韓のタトゥーへの意識の違い
3. 韓国でも中年以上の人たちはまだまだ抵抗感アリ
4. 就活においては断然影響アリ!タトゥーは見えないように!
5. タトゥーをしている人が就ける職業とは…⁉
6. テレビに映る際はテープで隠すのが一般的
7. プールやサウナでの出入り禁止はあまりない!
8. 兵役逃れのためにタトゥーを利用!?